XMでは通貨以外の貴金属や原油などのエネルギーも取引する事が可能です。
しかし、原油取引には限月という特殊な仕組みや取引時間など、通貨と違うルールがあります。
この記事では原油取引をする上で最低限押えておくべきことをご紹介します。
XMで取引可能なエネルギー銘柄は以下の5種類です。
- WTI原油(WTI Oil)
- WTI原油ミニ(WIT Oil Mini)
- ブレント原油(Brent Crude Oil)
- ロンドン軽油(London Gas Oil)
- 天然ガス(Natural Gas)
原油は採取される国や地域で種類が異なります。
そのため、採取される国を知っておけば原油取引を有利にする事が可能です。
原油取引をする人は知識として覚えておく事をおすすめします。
XMで『OIL』と表記されているのはWTI原油です。
WTIはウェスト・テキサス・インターミディエイトの略で、アメリカの西テキサスから採取される原油の総称となっています。
OILは原油取引の中では最もポピュラーな原油です。
取引量と市場参加者が多いため、世界経済の動向を示す指標のひとつとされています。
XMで『OIL Mn』と表記されているのは、OILの1ロットあたりの取引量を減らしたWIT原油ミニの事でです。
XMのスタンダートとマイクロという感じで捉えるといいでしょう。
XMでOILは1ロット=100バレルで取引されるのに対し、OIL Mnは1ロット=10バレルで取引されます。
資金に余裕がない方や初めてXMで原油取引をする方に最適です。
XMで『BRENT』と表記されているのはブレント原油の事で、イギリスの北海から採取される硫黄分の少ない軽質油です。
硫黄分が少ない事からスイート原油と呼ばれており、ガソリンや中間蒸留油に適していると言われています。
輸送コストが高いため、WTIより10ドルほど価格が高く設定されているのが特徴です。
XMで『GSOIL』と表記されるのはロンドン軽油の事で、原油を精製した軽油を対象とした商品の事を指します。
ロンドン軽油は精製を挟んでいるため原油より値段が高く、なんと10倍程の価格が設定されています。
また、決済月も異なるので取引をする際は注意が必要です。
XMで『NGAS』と表記されているのは、液化天然ガスの事です。
主にロシアで採取された天然ガスで中東や北欧などでも採取されています。
ほとんどロシアで採取されるため、ロシアの情勢に左右されやすい商品です。
XMで原油を取引するにあたって、取引時間や限月などの知識は絶対に必要です。
ここでは、原油取引をする上で知っておくべき事について詳しくご紹介します。
XMでの原油の取引時間は以下の通りです。(日本時間で表記)
夏時間(3~10月) | 冬時間(11~2月) | 金曜閉場(夏時間) | |
---|---|---|---|
OIL / OIL Mn | 7:05~5:55 | 8:05~6:55 | 5:10 |
BRENT | 9:05~6:55 | 10:05~7:55 | 5:10 |
GSOIL | 9:05~6:55 | 10:05~7:55 | 5:10 |
NGAS | 7:05~5:55 | 8:05~6:55 | 5:10 |
原油は毎日1時間の休場時間を除いて、平日であれば24時間取引ができます。
ただし、XMはGMT+2ですので、夏時間と冬時間で取引時間が異なる点は注意が必要です。
金曜日のみ、通常より45分早く閉場しますので覚えておきましょう。
原油取引には『限月』というものがあります。
限月とは「この日までに保有しているポジションを決済しなければならない」という期日の事です。
限月がある銘柄はMT4の銘柄名で確認できますので、一度見てみてください。
原油は基本的に1ヶ月となっていますので、1ヶ月を過ぎたら強制決済されると覚えておくといいでしょう。
XMで原油を取引する際の必要証拠金は以下のように計算します。
ロット数×コントラクトサイズ×市場価格×証拠金率
コントラクトサイズ | 市場価格 | レバレッジ | 証拠金率 | |
---|---|---|---|---|
OIL | 100バレル | 76ドル | 66.6 | 1.5% |
OIL Mn | 10バレル | 76ドル | 66.6 | 1.5% |
BRENT | 100バレル | 82ドル | 66.6 | 1.5% |
GSOIL | 4t | 814ドル | 33.3 | 3% |
NGAS | 1000mmBtu | 2,554ドル | 33.3 | 3% |
レバレッジは33.3~66.6となっています。
現在の市場価格が上記の表の通りで、1ドルのレートが130円と仮定して、原油の計算をしてみましょう。
OILを1lot取引した場合
1(ロット数)×100(コントラクトサイズ)×9,880円(市場価格76×130)×1.5%(証拠金率)=14,820円
この場合、OILをXMで1lot取引する為に必要な必要証拠金は14,820円です。
資金が少ない方は、0.1や0.01とロットを落として取引するといいでしょう。
ここからは、XMで原油を取引するメリットをご紹介します。
XMではFXと同じ環境で原油の取引をすることが可能です。
必要証拠金の所でご紹介した通り、OILを1ロット取引するのに必要な必要証拠金は14,820円。(市場価格により毎日異なる)
0.01ロットの取引であれば必要証拠金は148円となりますので、初めて原油取引をする人でもチャレンジしやすいと言えます。
XMではFX同様、原油取引にもゼロカットシステムが採用されています。
ゼロカットシステムとは『ロスカットの際に生じた損失を相殺してくれる』システムの事で、万が一ロスカットの際に損失が出てもXMが負担してくれるのです。
初めての原油取引に不安がある方でも安心なシステムになっています。
XMでは原油取引の際にもXMPポイントが貯まります。
ポイントが貯まると現金化や口座内で使えるクレジットに換金可能です。
XMの原油取引はストップレベルが0に設定されています。
ストップレベルとは注文を行う際に現在の価格から最低限離れていなければいけない価格差(pips)の事です。
ストップレベルが0ですので、短期取引にも有利な仕様となっています。
スキャルピングを得意とする方はチャレンジしてみると良いかもしれません。
原油取引はメリットばかりではありません。
当然、デメリットも存在しますのでここからは、XMで原油取引をするデメリットをご紹介します。
XMに限らず原油は通貨ペアと比べてスプレッドが広く設定されています。
スプレッド | |
---|---|
XM | 5.0pips |
AXIORY | 4.0pips |
Exness | 6.0pips |
公式サイトで発表されているスプレッドです。
XMは公式サイトに記載がなかった為、実際に目視で確認しています。
このように通貨ペアよりスプレッドが広くなっていますので、注意が必要です。
もちろん、指標時などスプレッドが更に広がる時間帯もありますのでスプレッドが広いという事を頭に置いて取引をしてください。
XMの原油取引ではスワップポイントが発生しません。
普段スワップポイント狙いでトレードをしている人にはマイナスポイントです。
しかし、これは必ずしも悪い事とは言えないでしょう。
なぜなら、スワップポイントが発生しないという事はマイナスにもならないという事だからです。
スイングトレーダーの方には嬉しい特徴ですね。
冒頭でもお伝えした通り、原油取引には『限月』という決済期限があります。
この決済期限を満期日と呼び、この日が来ると強制的にポジションが決済されてしまうのです。
もう少し握りたいと思っても満期日が来た際は思い通りにならないのでそこは覚悟が必要となります。
取扱限月や満期日についてはXMの公式サイトのエネルギーのページに記載がありますので、確認すると良いでしょう。
XMで原油取引をする前に、取引のルールや特徴を理解しておきましょう。
押えておきたいポイントやトレードのコツをご紹介します。
FXは7割がレンジ相場・3割がトレンド相場と言われ、レンジ相場の期間が多いのですが、原油に関してはトレンド相場が長く続く特徴があります。
一度トレンドが出ると比較的長く続くため、押し目買い戻り売りで大きく利益を伸ばす事が可能です。
トレンドが出るのを待ってからトレードをするのが有利と言えます。
原油はボラティリティが非常に大きい銘柄です。
短時間で大きく価格が変動するのが特徴となっています。
短期で利益を出す事ができる反面、損失が増える期間が短いので初心者向けではありません。
しかし、短期決戦を得意とするスキャルパーの方にはおすすめできる銘柄ですので、得意な方はチャレンジすると良いでしょう。
原油は、毎週水曜日にアメリカで発表される「米EIA週間石油在庫統計」という経済指標で大きく相場が動きます。
指標ギャンブルをする人も多くみられますが、経済指標時のトレードはXMの禁止事項に該当する事があるので注意が必要です。
『経済指標によって出たトレンドの波に乗っていく』方が安全にトレードができますよ。
原油はガソリンやプラスチックなどを作る上でなくてはならないエネルギー資源であるため、世界経済や気候によって価格が大きく変動します。
2020年のコロナの際は移動する人が少なくなったためエネルギーの需要が急減し、原油価格が史上初のマイナスとなりました。
2022年は、ロシアで起こった戦争により原油価格が高騰し、2023年に入っても一般市民の生活に大きく影響を及ぼしています。
このように、地域で起こった様々な事象がダイレクトに響くため、原油取引を行う人は『今世界で何が起こっているのか』をしっかり把握する必要があるでしょう。
事前知識をつけておけば、原油取引も安心して行うことができます。
まずは小ロットから始める事をおすすめします。
結論を言うと、XMでの原油取引は長期でなく短期での売買がおすすめです。
- 限月がある
- スプレッドが狭い
- ボラティリティが高い
上記のようなXMでの取引環境を加味すると、長期での取引は向いていません。
しかし、短期売買であれなボラティリティの高さから大きな利益が見込める銘柄です。
短期売買では逆張り、順張りのどちらも有効となりますが、いずれにせよ資金管理には充分注意して取引するべきと言えるでしょう。
XMでは限月によって長期トレードの原油取引はできませんが、決済を繰り返すことで事実上の長期売買が可能です。
XMのMT4・MT5で原油を表示すると、日付が記載されています。
上画像の例では、AUG22と記載されていますが、これは8月22日に限月を迎えるということです。
つまり、8月22日までに一度決済をして、再度原油を同じロット数で購入することで、長期での保有が可能となります。
XMのスタンダード口座ではスプレッド以外の手数料が発生しないので、スプレッドのみで取引することが可能です。
原油は長期トレンドを形成しやすい銘柄でもあるので、長期で保有したい方は限月までの決済を意識してみてください。
『XMで原油の取引ができない』と勘違いしている人がいますが、それは大きな間違いです。
XMで原油の取引はできます。
XMで原油の取引ができない人は以下の確認をしてみてください。
- 原油の取引時間ではない
- 必要証拠金が足りていない
- 価格やロット数のミス
- MT4やMT5の取引銘柄に原油を入れていない
XMで原油の取引ができない場合は、原油の取引時間外であるケースが考えられます。
各銘柄によって取引時間は明確に決まっているので注意しましょう。
また、祝日などのXM取引時間外の場合も原油取引はできず、注文だけでなく決済もできないので、事前に時間は押さえておくと良いです。
XMで原油取引をする際は、必要証拠金が足りていないかを確認しておきましょう。
原油は日本円とのペアではないので、クロス円通貨に比べると証拠金計算が複雑です。
- クロス円通貨→日本円換算で計算可能
- 原油→米ドルのレートから日本円に計算しなおす
基軸通貨を日本円にしている場合は、一度米ドルと日本円のレートを調べたうえで行う必要があります。
レバレッジも通貨と同様の1000倍ではなく制限がかかっているので注意しましょう。
原油は外国為替と違って、コントラクトサイズという独自の単位から計算されています。
1(ロット数)×100(コントラクトサイズ)
同じロットという単位でも、必要数量の計算方法が全く異なる仕組みです。
価格やロット数でミスをすると、原油の取引ができません。
MT4やMT5の取引銘柄に原油を入れていないとXMでの原油取引ができません。
原油は、MT4・MT5の新規チャートに最初から入っていないので、自身で追加をする必要があります。
- MT4・MT5を起動
- 表示→銘柄の順にクリック
- Futureから取引したい銘柄をダブルクリック
- 新規チャートから挿入
銘柄の欄に表示された項目がグレーではなく黄色に変わったら、新規チャート欄から表示ができます。
原油の取引ができないと言っている方は、このような初歩的なミスをしている可能性が高いです。
全て見直しても原油の取引ができない場合、公式サイトに問い合わせをする事をおすすめします。